Topics【Trends】最新のICT活用教育動向

MicroBachelorsプログラム

【Trends】第21回 2021年7月13日

Trends(「ICT活用教育の動向」)では、現在のICT活用教育をめぐるさまざまな話題を紹介していきます。

大手MOOCプラットフォームのedXは、個別のMOOCにとどまらず、複数のMOOCを束ねた教育プログラムの提供にも取り組んでいます。その端緒として、2016年に開始したMicroMastersプログラムは、大学院レベルのMOOCからなるプログラムであり、大学院の出願要件や大学院での単位認定基準に利用されています。これは本ホームページでも【Trends】シリーズ〜MicroMasters〜*として大きく取り上げました。

そのような中、ついに、学士号取得のための道が開かれました。2020年1月8日にedXは、トップ大学・企業と提携し、実世界でのニーズに応えるスキルを提供し、オンライン授業によって学士号取得のための道を開くことを目指す、MicroBachelorsプログラムを発表したのです。

MicroMastersプログラムは大学院レベルの講義プログラムを提供するものでした。これに対して、MicroBachelorsプログラムは大学学部レベルの講義プログラムを提供し、学士号を持たないが、キャリアアップのために高等教育が必要とする大人を主なターゲットとしています。フルタイムで大学へ通うことが金銭的・時間的に難しいことを想定し、完全オンライン講義を通じて、安価で柔軟な学習の機会を提供しています。

MicroBachelorsが提供する各プログラムは500〜1500ドル程度(約53000〜160000円)で受講することができます。これを1単位当たりの金額に直すと、平均166ドル(約17000円)であり、アメリカの学部課程の平均である1単位当たり594ドル(約62000円)、非営利のオンラインカレッジの平均である1単位当たり308ドル(約32000円)よりも低い価格で授業を受けることが可能となっています。

プログラムを修了すると、修了証明書が発行されるほか、追加費用なしでトーマス・エジソン州立大学の正規単位として認められることになっています。この単位は、これまでに獲得した単位、あるいは今後獲得する単位と組み合わせ、学士号の取得に活用することができます。MicroBachelorsの成果を正規の単位として認めている大学は現在トーマス・エジソン州立大学だけですが、今後、様々な大学へと広がっていく可能性を持っています。

開始当初のコース提供校はウエスタン・ガバナーズ大学とニューヨーク大学の2校のみでしたが、2021年7月現在では、アリゾナ州立大学、ライス大学、ドーン大学、サザン・ニュー・ハンプシャー大学を加えた6大学から、計11のプログラムが提供されています。

その他、MicroBachelorsの詳細については、MicroBachelors公式ホームページ、およびBusiness Wireでの紹介記事(英語)をご覧ください。

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