Topics【Trends】最新のICT活用教育動向

【MicroMasters Vol.1】コースとしてのMOOCから、MOOCによるプログラムへ

【Trends】第8回 2018年6月11日配信

Trends(「ICT活用教育の動向」)では、現在のICT活用教育をめぐるさまざまな話題を紹介していきます。

「シリーズ〜MicroMasters〜」では、3回にわたり、MOOCを通じた新たな取り組みとして注目されるMicroMastersをご紹介します。

  • Vol.1:「コースとしてのMOOCから、MOOCによるプログラムへ」(本記事)

皆さんは、MicroMastersというプログラムをご存知ですか。
2016年から始まった同プログラムは、MOOC配信プラットフォームであるedXが展開するもので、複数のMOOCを束ねた教育プログラムです。

本記事では、MicroMastersの概要についてご紹介します。

MicroMastersの概要

「MOOC元年」とされる2012年以降、多様なプラットフォームからMOOCが配信されており、そのコース数や受講者数は劇的に増加してきました。
このようななか、近年、MOOCやOCW、その他のオンライン教材を利用したブレンディッドな教育・学習の取り組みが進展するのに伴い、MOOCなどのオンライン教育を利用した新たな単位・学位・専門資格の取得システム・制度づくりの動きもまた盛んになっています。

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edXが提供するMicroMastersは、大学院レベルの複数のMOOCを1つのプログラムとして提供する仕組みです。各プログラム内のMOOCをすべて受講・修了した上で、別途、最終試験の受験・合格といった一定の条件を満たすことで、プログラム全体を修了したことを証明する MicroMasters Credential(有償)が発行されます。

このMicroMasters Credentialは、同プログラムに参加する各大学・大学院によって、出願要件や単位認定基準として指定されており、同プログラムを正規の課程内で利用する動きが広がっています。また各プログラムには、関連企業・組織からの推薦コメントが付されており、プログラムを修了することで業務上必要とされる知識が得られるとされています。このことからも、同プログラムはプロフェッショナルのための学び直しやスキルアップの機会として今日期待されています

Xシリーズ等を提供してきたedXが仕掛ける新たな試みとして注目される、このMicroMastersプログラムですが、具体的にどのような機関からどういったコースが開講されているのでしょうか。

Vol.2では、現在提供されているプログラムの現状を地理別・分野別に紹介します。



(記事構成:河野亘・鈴木健雄)