TAと協働してオンライン授業を行う(教員・TA向け)

協働して授業を行うにあたり、教員とTAが気をつけておくと良いことをまとめました。


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TA制度は、TAの教育補助による学士課程・修士課程教育の改善と充実、TAとしての職務を通じた指導力や社会人基礎力等の育成、そして手当支給による大学院就学中の経済的支援をすることを目的としています(参考:京都大学ティーチング・アシスタント実施規定)。

これまでにも多くの方が様々な形でTAを活用し、授業運営に取り組んでこられているかと思いますが、オンラインで行う授業においてTAと協働するには、通常の対面による授業とは異なる情報共有や役割分担の確認が必要となります。

本ページでは、TAと協働してオンライン授業を行うに当たって、教員とTAの双方が気をつけておくと良いことについて、授業のステップ(授業の準備段階、実際の授業、授業終了後)と形式(同時双方向型とオンデマンド型)にわけてまとめました。
ここで紹介する内容は一般的な考え方になるため、多様な授業実践をカバーするものではありません。教員の方々の個々の状況にあわせてお役立てください。

2021年4月8日(木)、TAの方・教職員向けに、第3回 TA講習会「ハイフレックス型授業におけるTAの役割」を実施しました。詳しくは「学内講習会」のページをご覧ください。

TAと協働するにあたって

まず、オンライン授業では、実際の対面授業とは異なり、その場でTAに指示をしたり、対応を求めたりすることが容易でありません。また多くのTAは、オンライン授業の支援はもちろんのこと、学生としてもオンライン授業を経験したことがない場合が多く、予測を立てつつ支援者としての活動に取り組むことは決して簡単ではありません。なかには、学内のLMSやICTツールを活用することに不安をもつTAもいることでしょう。

このようなTAの状況を踏まえ、教員の方で、あらかじめどのようなオンライン授業を行う予定なのか、どのようなツールを使用し、どこの部分でTAの支援を必要とするのかについて、しっかりと情報共有をしておくことが重要となります。

(1)役割分担を明確にすること、(2)授業運営に関する情報をしっかりと共有すること、これらがオンライン授業を行うにあたってTAと協働する際のポイントとなります。

一般的なTAの役割について

改めて、TAはどのような存在といえるのでしょうか。教員の授業運営上の選択によって異なりますが、TAが担っている役割は以下の3つに区分することができます。

1. インフラを整備する役割

教員が授業をスムーズに行えるようにするためのインフラを整備する役割です。例えば、講義室の機器の確認と設置、実験機材の確認と準備、学習活動のための机の配置換え、資料の印刷やアップロードなど。

2. 教育者的役割

教員の教育的意図を理解した上で、学生の学習活動に対する支援を行う教育者的役割です。例えば、学生の質問対応、レポート添削、グループワークやディスカッションの促進、実験のデモンストレーションなど。

3. 秘書的役割

授業に関連した管理業務を行う秘書的役割です。例えば、出欠確認と集計、提出物の整理や点検、学生への書連絡など。

ここでは一般的なTAの役割を挙げました。オンライン授業においても、TAの役割は基本的に同じです。ただし、オンライン授業だからこそ、TAにあらかじめ身につけておいてもらわなければいけないスキル、理解しておいてもらわなければいけない情報などが多くあります。

『TAハンドブック』(教育制度委員会/GST推進室作成)の改訂版および研修動画「京都大学の教育とTA制度について」(GST推進室作成)が完成しましたのでご覧ください。

アクセス方法:
以下のサイトにアクセスし、画面の右上のログインバナーから、ESC-IDでログインしてください。ログイン後、画面上部の「全学TA研修」をクリックして、「TAに採用される方」欄のリンクを押してください。
 ・京都大学サイバーラーニングスペース

ハイブリッド型/オンライン授業運営のためのチェックリスト

上にあげた3つの役割のどの部分をTAに担ってもらうのかを整理・確認するためのチェックリストを作成しました。TAと協働しながら授業を行う際の参考にしてみてください。

チェックリストの使い方

  1. このチェックリストを教員・TAで共有し、「教員担当」「TA担当」の欄に、主担当(実際に従事する人)なら「◎」、副担当(支援・確認する人)なら「○」、この授業では不要な項目には「×」をそれぞれ書き込む。
  2. 作業が完了したら、「済」のチェック欄に「○」と書き込む。
  3. 必要に応じて項目を増やしたり、メモを書き込んだりして使ってください。

**教員の方へ**
※ このチェックリストに記載した内容は、一般的な観点を総合し記載したものです。あくまで参考ですので、授業の目的や形態に合わせて適宜、加筆・修正してください。

**TAの皆さんへ**
TAの皆さんの方でも、教員による授業運営の流れを抑え、ご自身の役割がどこをどう支援するものなのかを把握しつつ、授業支援に取り組むようにしてください。 (参考:Teaching Online@京大「オンライン授業ってどんなもの?」「ハイブリッド型授業とは」

ハイブリッド型/オンライン授業の注意点

ハイブリッド型授業ならびにオンライン授業の場合、それまでの対面授業では起きなかったような問題も生じてきます。例えばどのような点に注意すれば良いか、以下をご参考ください。

● 授業の実施形態の確認について

  • ハイブリッド型ならどのような組み合わせで授業を行うのかによって、オンライン授業なら同時双方向型なのかオンデマンド型なのかによって、授業形態に応じてTAが担う役割や気にしなければいけないポイントも変わってきます。本サイトで紹介している授業の実施形態や組み合わせ型などを教員と一緒にみて、どの形式を想定しているのか確認をしましょう。
    「ハイブリッド型授業とは」参考:「オンライン授業ってどんなもの?」

● 教室を利用する場合の事前テストについて

  • 教室を利用する場合、教室環境や使用する機器により音のハウリングが発生したり、板書が見えない、画面共有や資料共有がうまくいかないなどの異なる問題が発生します。授業担当教員と共に、使用する教室に行き、事前にテストをしましょう。

● 感染症予防対策の確認について

  • 感染症予防対策については,大学のガイドライン及び部局ごとの方針を確認する必要があります。TAとして留意すべきことが何かを確認しておきましょう

● 勤務時間と勤務形態について

  • オンラインによる教育学習活動を行うことにより、時間を問わずに来る学生からの質問等への対応など、TAの勤務時間の管理が難しくなる可能性があります。LMSでのやり取りやメールへの対応を任せる場合には、何時から何時の間のみ対応するなど、TAの「オフィスアワー」のようなものを設定するといいでしょう。

● 個人情報の取り扱いについて


● 著作権の取り扱いについて


● 不測の事態に備えて

  • 例えば、教員あるいはTAのパソコンが突然フリーズする、大学のインターネット接続が切れる、など授業を継続できなくなるような不測の事態が起きる可能性があります。そういった時に、教員とTA間でどう連絡を取り合うのか、どのような学生対応をするか、などについて、一度相談・確認してみてください。

● わからないことがあった場合には

  • 本学ではこのような体制でオンライン授業を支援しています。項目ごとにFAQや問い合わせ先が記載されていますので、お困りの際はご覧/お問い合わせください。