ハイブリッド型授業とは

オンライン授業と対面授業の組み合わせ方をパターン化して整理しました

「教室でも学びたい」という学生に対して選択肢を提供したり、オンラインでは学べない内容を教えるために対面授業を実施する場合、どのようにオンライン授業と組み合わせていけばよいのでしょうか。

オンライン授業と対面授業を組み合わせて実施する、いわゆるハイブリッド型授業には、いくつかのパターンがあります。本ページでは、その組み合わせ方のパターンごとに必要な準備、方法、考慮すべき点をまとめました。

ハイブリッド型授業を検討していても、感染拡大の状況によっては、フルオンライン授業への切り替えが求められる可能性があります。そのため、対面授業を考える際には、オンライン授業でもできること、オンライン授業だからできること、オンライン授業ではできないことを確認して授業をデザインすることが必要です。

なお、感染拡大予防のための授業実施上の配慮については、京都大学危機対策本部による「感染拡大予防マニュアル- 令和2年度前期授業の実施における配慮について -(第2版)」(令和2年8月7日付)をご参照ください。その他京都大学HPの 「新型コロナウイルス感染症への対応」や、各部局の方針もご確認ください。

ハイフレックス型:同じ内容の授業を、対面とオンラインで同時に行う授業方法

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「ハイフレックス型授業」とは?

ハイフレックス(HyFlex:Hybrid-Flexible)型の授業では、学生が同じ内容の授業を、オンラインでも対面でも受講できます。教員は対面で授業を行い、学生は自身の状況に応じて対面授業を受講するか同期双方向型のオンライン授業を受講するかを選びます。対面で受講する学生を把握する必要があるため、対面かオンラインかはあらかじめ固定することがのぞましいでしょう。

メリット
  • 学生は、置かれた状況に応じて、オンライン授業を受けるか対面授業を受けるか選択できる。
  • 対面授業の実施が不可能になった場合にも、フルオンライン授業への移行が容易である。
デメリット
  • 教室環境の設定が大変なので、事前のテストが必要となる。
  • 教室と対面の両方の学生に注意しながら授業を行うため、教員の負荷が高い。
    → TAがいることがのぞましいでしょう。

音響設備に応じた分類

ハイフレックス型授業の実施方法について、利用する音響設備に応じて分類しました。実際には、実施される授業の形式(少人数か大人数か、授業内のインタラクションが多いが少ないか等)とも対照させつつ、ご覧ください。

① 教室マイクを使用しない場合 ② 教室マイクを使用する場合
(A)ヘッドセット利用型 少人数 × インタラクション 少 大人数 × インタラクション 少
(B)スピーカマイク利用型 少人数 × インタラクション 多 大人数 × インタラクション 多
(C)全員ヘッドセット利用型 インタラクション 必須

(A)ヘッドセット利用型

① 教室マイクを使用しない場合

  • 少人数クラスの授業で、主に教員が話す場合に向いた形式です。
  • 教員はヘッドセットを着用し、オンラインで参加している学生に対して自分の声を届けます。
  • 教室の学生から発言があった場合、教員が復唱することで、オンラインの学生にも聞こえるようにします。
  • 準備する機器・設備が最も少なくすみます。
    •  → 実施に向けた準備はこちらをご覧ください(クリックで画像がポップアップします)

      ② 教室マイクを使用する場合

      • 大人数クラスの授業で、主に教員が話す場合に向いた形式です。
      • 教員はヘッドセットを着用し、オンラインで参加している学生に対して自分の声を届けます。
      • 教室内では教室のマイクを使い、拡声することにより、大教室内の学生に自分の声を届けます。
      • 教室の学生から発言があった場合、教員が復唱することで、オンラインの学生にも聞こえるようにします。
        •  → 実施に向けた準備はこちらをご覧ください(クリックで画像がポップアップします)

(B)スピーカマイク利用型

① 教室マイクを使用しない場合

  • 少人数クラスの授業で、受講者間の対話を推奨したい場合に向いた形式です。
  • 教室にいる教員と学生はスピーカマイクを使用して、オンラインの学生に声を届けます。
  • スピーカマイク経由で、教室・オンラインの学生間でやりとりができます。
  • 教室にいる教員の声がスピーカマイクに届く範囲に、着席する必要があります。
    •  → 実施に向けた準備はこちらをご覧ください(クリックで画像がポップアップします)

      ② 教室マイクを使用する場合

      • 大人数クラスの授業で、受講者間の対話を推奨したい場合に向いた形式です。
      • 教員は教室のマイクを使用し、教室の学生に声を届けるのとともに、スピーカマイク経由でもオンラインの学生に声を届けます。
      • 教室にいる学生はスピーカマイクを使用して、オンラインの学生に声を届けます。
      • スピーカマイク経由で、教室・オンラインの学生間でやりとりができます。
      • スピーカマイクから離れた位置に着席した学生の声を、オンラインの学生に届けることが困難です。
        •  → 実施に向けた準備はこちらをご覧ください(クリックで画像がポップアップします)

(C)全員ヘッドセット利用型

  • 受講者間の対話が必ず必要となる場合に向いた形式です。
  • 教室にいる教員と学生全員がそれぞれのPCからZoomにログインし、ヘッドセットを利用することで、オンラインの学生とやりとりを行います。
  • ハウリング防止のため、教員が話すときは教員のマイクをオン・教室の学生のマイクはオフに、教室の学生が話す場合にはその学生のマイクをオン・教員、その他の学生のマイクはオフにする必要があります。
  • 音漏れにも十分気をつける必要があります。
    •  → 実施に向けた準備はこちらをご覧ください(クリックで画像がポップアップします)

その板書、その指示棒、オンラインで参加している学生にも見えていますか?

ハイフレックス型の授業の場合、目の前に学生がいるためについオンラインで参加している学生の存在を忘れ、普段の授業と同じように授業をしてしまいがちです。授業実施に際しては、今一度、以下の点を確認してみてください。

  • 板書について:ホワイトボードや黒板に行った板書をカメラで撮影し、Zoom越しに見せようとするとカメラからはみ出てしまったり、解像度が不足したりすることがあります。板書の代わりに、タブレットのホワイトボードアプリを利用したり、書画カメラで紙に書いたものを投影するといった対応も一度検討してみてください。イメージ図(クリックで画像ポップアップ)
  • ポインターについて:ポインターについて:画面共有の時に、どこを説明しているのか学生がわかるよう、PowerPointかZoomの「レーザーポインター」機能を使用するようにしましょう。イメージ図(クリックで画像ポップアップ)
  • 音声について:一つの部屋で複数の人が各々オンライン授業に参加すると、ハウリングが起こってしまうことがあります。ハウリングを防止する方法としては、1. 全員がヘッドセットを利用する、2. オーディオに接続する端末を1台に限定するという方法があります。スピーカ・マイクや部屋の音響設備の利用方法、エコーの発生する仕組みの詳細については、こちらをご覧ください。
  • レコーディング機能について:リアルタイムで授業にどうしても参加できなかった学生のために、Zoomのレコーディング機能を使って授業を録画しておくことをお勧めします。
  • その他:教室で提示している資料とオンラインで提示している資料とが同じものとなるよう、Zoomで画面共有したものを教室内のプロジェクタで投影することをお勧めします。また、オンラインで受講している学生が見えている画面を確認するためのPCもしくはタブレットを準備すると、授業がより進めやすくなるでしょう。

ブレンド型:対面とオンラインを、教育効果を考えて組み合わせる授業方法

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「ブレンド型授業」とは?

ブレンド(Blended)型の授業では、授業の目的にあわせて対面とオンラインを組み合わせて授業を実施します。たとえば、15回の授業のうち、初回や、対面が望ましい回を対面で実施し、それ以外はオンラインで実施するなどが考えられます。対面授業の回を絞り込むことは、感染リスクの軽減や、教室環境の準備の負担軽減にもつながります。



メリット
  • 各回の授業の目的にあわせて対面、オンラインを選択するため、教育効果が高い。
  • 対面での反応とオンラインでの反応の両方を確認しながら授業を進めることができる。
デメリット
  • 全員が対面授業に参加する回があるので、十分な広さの教室を確保する必要がある。
  • オンラインしか参加できない学生に対しては、対面と全く同じ効果は見込めない(授業の録画ビデオや説明を付した配布資料をPandAにアップロードするなどのフォローが考えられます)。

反転授業(flipped classroom)について

反転授業とは、知識の獲得のための時間と、知識の応用や発展のための時間を授業内外で組み合わせて行う授業形態です。そのため、すべてオンラインで実施することも可能です。反転授業に関する授業実践については以下のインタビューをご覧ください。

分散型:同じ回に異なる内容の授業を対面とオンラインで行い、学生は分散して受講する授業方法

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「分散型授業」とは?

分散型の授業は、コロナ禍下で急遽必要な場合に実施する方法です。具体的には、受講生を学籍番号の奇数・偶数などで分け、半分の学生は対面授業を受講、残りの学生はオンライン授業(教員が準備したオンデマンド型、あるいは別教員やTAによる同時双方向型の授業)を受講させ、次の回ではそれを入れ替えるといった方法が考えられます。実験や実習でクラス全員が出席する必要があるにも関わらず、そのための設備が整っていない場合などに適応できます。



メリット
  • 人数制限が必要な対面授業を、授業回数を増やすことなく実施可能。
デメリット
  • オンライン授業、対面授業の両方の準備を平行して行う必要があるため、教員の負荷がとても高い。
  • 学生によって、対面とオンライン授業の順序が違うことに注意してオンライン授業で扱う内容を選択する必要があるため、コースデザインが複雑である。

キャンパス内でオンライン授業を受ける学生への注意点

対面授業を再開した場合、学生の一日の時間割の中に、対面授業とオンライン授業が混在することになります。キャンパス内でオンライン授業を受けるにあたって、学生に注意してもらいたいことが以下の書類にまとめられています。授業の前後等やPandAのコースサイト上で学生に周知してください。

キャンパスでオンライン授業を受ける学生に対する諸注意(情報環境機構作成、2020年9月28日)
内容

1. 自習スペースからオンライン授業に参加する場合の注意点
2. オンラインを併用する対面授業に教室で参加する場合の注意点
その他、1と2に共通する注意点

現在、各部局ごとに、オンライン授業を学内で受講できる教室・環境の整備が進んでいます。また、吉田南構内にある学術情報メディアセンター南館では、全学の学生に向けて「ICTコモンズ(共用エリア)」を試験的に開放しております(下記リンク参照)。これらオンライン授業を受けることができる場所について、上記の諸注意と合わせて学生に周知してください。

お知らせ 学術情報メディアセンター南館「ICTコモンズ(共用PC エリア)」の試験的開室について(2020年10月6日 情報環境機構)
※この共用PC エリアは、オンライン授業を受講するうえで、何らかの理由で端末を準備できない学生を優先して、事前申請による許可制で運用されています。