京都大学高等教育研究開発推進センター 京都大学高等教育研究開発推進センター

2018年9月19日(水)、京都大学百周年時計台記念館にて、「京都大学新任教員教育セミナー2018」を開催しました。本セミナーは、今年度が第9回目となり、本学に採用された新任教員および助教から昇任された教員を対象に実施しています。京都大学らしい教育の在り方について考えたり、学内に存在する様々な教育支援について知っていただいたり、実際に直面している教育に関する問題や学生指導上に関わる課題などについて共有したりする場所になるようプログラムを作っています。

具体的なプログラムやセッション5のグループ別セッションの内容については、FD研究検討委員会のサイトにて紹介しています。また、全体会での講演等については後日OCWにアップされます。これらも合わせてご覧いただければと思います。

今回の参加者は96名(教授7名、准教授30名、講師9名、助教50名)でした。全体会では、まずセッション1として、教育担当理事・副学長の北野正雄先生より「現在の大学教育の動向と京都大学の教育改革」と題したオープニングレクチャーがありました。大学を取り巻くマクロな状況を踏まえつつ、本学が取り組んでいる様々な教育改革について紹介がありました。特に、昨今話題になっている高大接続に関する取組について、新たに始まった特色入試も交えながら紹介されました。セッション2では、文学研究科の伊勢田哲治先生より「埋め込み型研究公正教育のすすめ」と題したミニ講義がありました。高等教育機関全体にとって喫緊の対応課題となっている研究公正について、教育(授業)に埋め込む形で学生への研究公正を行うという先進的な取組が紹介されました。セッション3は、自身の授業実践を紹介する「私の授業」でした。今回は、理学研究科の沼田英治先生より授業実践の紹介がありました。先生がコーディネーターを務める生物学のフロンティアをはじめ、これまでに実施してきた様々な授業を振り返って、「講義において重視していること」について紹介されました。セッション4では、高等教育研究開発推進センターの山田剛史先生、田口真奈先生から「京大の教育・学習支援」について紹介がありました。実際には冊子にまとめた『教育サポートリソース』、「センターウェブサイト」、ICT活用教育に関するポータルサイト「CONNECT」について配布・提示しました。その後、セッション5は、参加型セッションとして、用意した5つのテーマごとに部屋に分かれてのワークショップがありました。最後のセッション6は、再度全体で集まってジグソー形式によるインテグレーションセッションを行いました。

参加者の事後アンケート(86名/回収率89.6%)より、総合評価は「4.41」(「非常に有意義」から「まったく有意義でない」の5段階)と高い評価が得られました。また、上位項目としては、私の授業(4.79)、インテグレーションセッション(4.53)、グループ別セッション(4.51)、でした。

参加して良かった点に関する自由記述では、「普段は個人の研究成果の向上などに意識が向きがちだが、大学の一員としての意識が高まり、良いと思った。」、「普段の業務では全く聞く事が出来ない様な話や意見をお聞きする事が出来ました。自分だけではなく研究室の他の人にも知っていただきたい内容でした。」、「自分の(研究室・学部)以外の授業の仕方、研究室運営のノウハウを学べたのが大変有意義であった。もし許されるのであれば、振り返りとして数年後にもう一度このようなセミナーに参加したい。」、「私個人としては、2年に1回程、このようなセミナーがあればタメになると思う。」、「グループワーク等で多くの先生方とお話できる機会を持てたのが有意義でした。各セッションの内容も大変為になるものばかりでした。」、「実際に授業等していませんが授業してみたくなりました。」など、様々な感想を寄せていただきました。

引き続き、先生方の声を聴きながらよりよりプログラムにしていきたいと思います。

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