京都大学高等教育研究開発推進センター 京都大学高等教育研究開発推進センター

探している質問が見当たらない場合は、こちらのフォームからお問い合わせください。
なお、こちらの問い合わせについては、京都大学の教職員に限らせていただきます。

よくある質問

アクティブラーニングとは何ですか?

アクティブラーニングとは何ですか?

アクティブラーニング(active learning)とは、平たく言えば、講義を「聴く」だけでなく、学生が書く・話す・発表する等の「活動」をおこなうことです。与えられた問いや課題について考えること、理解することを書いたり議論したり発表したりする「外化(アウトプット)」の活動だともいえます。

良い授業とは何ですか?

良い授業とは何ですか?

何を教えたかではなく、学生が何を学んだかが良い授業の指標になります。たとえ授業の準備をしっかりおこなっても、大きな声で話しても、ICTやツールを使っても、学生の学習の結果が十分なものでなければ、それは良い授業とは呼べません。良い授業とは、学生の学習成果が授業者の期待するもの(学習目標)に到達したかをもって、判断されます。

アクティブラーニングも重要だと思いますが、講義も重要だと思います。

アクティブラーニングも重要だと思いますが、講義も重要だと思います。

アクティブラーニングを導入することは、学生の学習を能動的で深い学びへとしていくために重要ですが、それで講義が否定されているわけではありません。講義には、短い時間で多くの情報量を伝えたり、高い講義力のもとでは学生はぐっと引きつけられたり高い成績へ導いたりすることもあり、メリットは多くあります。しかし、講義は「聴く(インプット)活動であり、自身の理解や考えを整理したり、他者と議論したりして学習を深めることには向いていません。講義+アクティブラーニングのバランスをとった「アクティブラーニング型授業」の推進が求められています。

「汎用的技能(ジェネリックスキル)」とは何ですか。理系では、専門的な知識・技能を身に付けさせることの...

「汎用的技能(ジェネリックスキル)」とは何ですか。理系では、専門的な知識・技能を身に付けさせることの方が重要なのではないでしょうか。

日本学術会議では、ジェネリックスキルを「分野に固有の知的訓練を通じて獲得することが可能であるが、分野に固有の知識や理解に依存せず、一般的・汎用的な有用性を持つ何かを行うことができる能力」と説明しています。「汎用的技能」といっても、実際には、学問分野によって具体的な中身は異なります。例えば、同じ「コミュニケーション能力」でも弁護士と看護師では求められるものが違いますよね。
また、雇用主調査の結果をみると、理系の学生には文系の学生より、専門的な知識を強く求める傾向があります。汎用的技能が重要だといわれるようになっても、理系での専門的知識の重要性には変化がないようです。

3つのポリシーはどのような単位で策定すべきなのでしょうか。学部なのか、学科なのか、迷ってしまいます。<...>

3つのポリシーはどのような単位で策定すべきなのでしょうか。学部なのか、学科なのか、迷ってしまいます。

ディプロマ・ポリシーは、学位授与の方針ですから、本来は学位ごとに策定するべきものです。ただし、学位は学部で1つだけれど、カリキュラム(コースツリー)や入試は学科によって異なるという場合も少なくありません。そうなると、カリキュラム・ポリシーやアドミッション・ポリシーは学部で1つというわけにはいかなくなりますね。例えば、京都大学農学部では、ディプロマ・ポリシーは学部で1つ、カリキュラム・ポリシーとアドミッション・ポリシーは学部全体での共通部分と学科ごとに異なる部分の二層で策定するというやり方を取っています。一方、大阪大学のように、1つの学部の中に複数の学位プログラムを設定して、学位プログラムごとに3つのポリシーを策定している例もあります。

「1単位45時間の学修」というのは現実的なんでしょうか。

「1単位45時間の学修」というのは現実的なんでしょうか。

この規定に従えば、半期2単位の授業科目では90時間の学修が必要で、半期15週だとすると毎週6時間学修しないといけないことになります。1コマの授業を2時間換算するとしても、授業外学習が4時間。確かに、こんなに勉強している学生は、日本ではごく小数です。キャップ制や半期15回授業の徹底など、単位制度を実質化するためのさまざまな方策が取られていますが、就職活動のために多くの単位を早めに取っておくという学生の学修行動が変わらない限り、根本的な解決は難しいでしょう。そもそも、時間によって学修を測ることは可能なのか。eラーニングの普及により、時間によって学修を測るのではなく成果によって測るという考え方も生まれてきています。

反転授業をしてみたいのですが、講義ビデオはどのように作成すればいいですか?

反転授業をしてみたいのですが、講義ビデオはどのように作成すればいいですか?

反転授業(flipped classroom)を行うためには、学生が自宅等であらかじめ視聴する講義ビデオを作成します。講義ビデオを作成するには、次のような方法があります:

・パワーポイント等のプレゼンテーションソフトを使って、説明の音声ナレーションを記録したビデオファイルとして保存する
・ビデオカメラを使って、研究室や教室で事前に講義内容を撮影する
・国内外の大学教員や大学等が公開している、OCWや学習動画共有サービス(他大学のOCW、iTunes U等)の講義ビデオやビデオ教材を利用する

対面授業の開始時に、講義ビデオの内容に関して小テストやグループディスカッションを行うことによって、授業を進めるにあたって学生の前提知識を確認することができます。

BYOD(PC必携化)とは何ですか?

BYOD(PC必携化)とは何ですか?

BYOD(Bring Your Own Device)は、学生が授業内外の学習のため、自分の所有するラップトップPCやモバイルデバイスを大学に持参することを言います。PCの利用を前提とした授業が提供されるため、PC必携化と呼ばれることもあります。

持参したPCを使い、学生は、授業中にノートテイキングやLMSへのアクセス、授業内容に関連するオンラインジャーナルやインターネットの記事にアクセスできるようになります。また、授業中だけでなく、授業の合間にラーニング・コモンズや自習室などの学習スペースで、授業の準備や課された課題に取り組むなど、自学自習やグループでの学習の可能性が広がります。

授業に関する連絡を受講者にメールで送ることはできますか?

授業に関する連絡を受講者にメールで送ることはできますか?

多くの学習マネジメントシステム(LMS)では、授業ごとのメーリングリストが利用できます。

本学では、PandA内でメーリングリストが利用できます。利用マニュアルは下記の情報環境機構のウェブサイトに掲載されています。

学習評価の負担をどうやって軽減すればよいのでしょうか?

学習評価の負担をどうやって軽減すればよいのでしょうか?

学習評価は厳密に行うほど高い効果が得られます。しかし、同時に複数の科目を担当し、授業の実施にも多くの時間を要するため、学習評価にかけられる負荷は限られています。授業開始時や中間地点などの時期を押さえた上で、授業の性質に応じて実施すると良いでしょう。

学習評価においてICTの活用は負担軽減という観点から見ても非常に効果的・効率的です。得手不得手はあると思いますが、一度テンプレートを作っておけば繰り返し使えたり、配布・回収・入力・分析等の手間が一気に省けたり、資源の削減や研究室の環境保持にもつながったりとさまざまなメリットがあります。得意な先生を見つけて協力してもらいながら、ぜひ挑戦してみてほしいと思います。

集団と個人の評価をどのように行えばよいのでしょうか?

集団と個人の評価をどのように行えばよいのでしょうか?

アクティブラーニングの進展によって、従来の評価とは異なる問題が生じています。たとえば、グループワークなどで、活動に参加していない学生とリーダーシップを取って意欲的に活動に参加している学生とが混在しているグループにおける学生の評価には注意が必要です。

対応策として、グループワークの運営の仕方で学生間のバラツキを生じさせないようにすること、評価基準・規準を予め明示しておくこと、グループ内での学生同士の相互評価や自己評価を組み合わせること、役割分担を明確にしてインセンティブを付与すること、発表は協働にしてレポートは個人に課すなど学習への取り組みの差が分かるような課題を与えることなどが考えられます。

01

授業のデザイン・方法について

アクティブラーニングとは何ですか?

アクティブラーニング(active learning)とは、平たく言えば、講義を「聴く」だけでなく、学生が書く・話す・発表する等の「活動」をおこなうことです。与えられた問いや課題について考えること、理解することを書いたり議論したり発表したりする「外化(アウトプット)」の活動だともいえます。

良い授業とは何ですか?

何を教えたかではなく、学生が何を学んだかが良い授業の指標になります。たとえ授業の準備をしっかりおこなっても、大きな声で話しても、ICTやツールを使っても、学生の学習の結果が十分なものでなければ、それは良い授業とは呼べません。良い授業とは、学生の学習成果が授業者の期待するもの(学習目標)に到達したかをもって、判断されます。

アクティブラーニングも重要だと思いますが、講義も重要だと思います。

アクティブラーニングを導入することは、学生の学習を能動的で深い学びへとしていくために重要ですが、それで講義が否定されているわけではありません。講義には、短い時間で多くの情報量を伝えたり、高い講義力のもとでは学生はぐっと引きつけられたり高い成績へ導いたりすることもあり、メリットは多くあります。しかし、講義は「聴く(インプット)活動であり、自身の理解や考えを整理したり、他者と議論したりして学習を深めることには向いていません。講義+アクティブラーニングのバランスをとった「アクティブラーニング型授業」の推進が求められています。

02

カリキュラムのデザインについて

「汎用的技能(ジェネリックスキル)」とは何ですか。理系では、専門的な知識・技能を身に付けさせることの方が重要なのではないでしょうか。

日本学術会議では、ジェネリックスキルを「分野に固有の知的訓練を通じて獲得することが可能であるが、分野に固有の知識や理解に依存せず、一般的・汎用的な有用性を持つ何かを行うことができる能力」と説明しています。「汎用的技能」といっても、実際には、学問分野によって具体的な中身は異なります。例えば、同じ「コミュニケーション能力」でも弁護士と看護師では求められるものが違いますよね。
また、雇用主調査の結果をみると、理系の学生には文系の学生より、専門的な知識を強く求める傾向があります。汎用的技能が重要だといわれるようになっても、理系での専門的知識の重要性には変化がないようです。

3つのポリシーはどのような単位で策定すべきなのでしょうか。学部なのか、学科なのか、迷ってしまいます。

ディプロマ・ポリシーは、学位授与の方針ですから、本来は学位ごとに策定するべきものです。ただし、学位は学部で1つだけれど、カリキュラム(コースツリー)や入試は学科によって異なるという場合も少なくありません。そうなると、カリキュラム・ポリシーやアドミッション・ポリシーは学部で1つというわけにはいかなくなりますね。例えば、京都大学農学部では、ディプロマ・ポリシーは学部で1つ、カリキュラム・ポリシーとアドミッション・ポリシーは学部全体での共通部分と学科ごとに異なる部分の二層で策定するというやり方を取っています。一方、大阪大学のように、1つの学部の中に複数の学位プログラムを設定して、学位プログラムごとに3つのポリシーを策定している例もあります。

「1単位45時間の学修」というのは現実的なんでしょうか。

この規定に従えば、半期2単位の授業科目では90時間の学修が必要で、半期15週だとすると毎週6時間学修しないといけないことになります。1コマの授業を2時間換算するとしても、授業外学習が4時間。確かに、こんなに勉強している学生は、日本ではごく小数です。キャップ制や半期15回授業の徹底など、単位制度を実質化するためのさまざまな方策が取られていますが、就職活動のために多くの単位を早めに取っておくという学生の学修行動が変わらない限り、根本的な解決は難しいでしょう。そもそも、時間によって学修を測ることは可能なのか。eラーニングの普及により、時間によって学修を測るのではなく成果によって測るという考え方も生まれてきています。

03

教育・学習へのICT活用について

反転授業をしてみたいのですが、講義ビデオはどのように作成すればいいですか?

反転授業(flipped classroom)を行うためには、学生が自宅等であらかじめ視聴する講義ビデオを作成します。講義ビデオを作成するには、次のような方法があります:

・パワーポイント等のプレゼンテーションソフトを使って、説明の音声ナレーションを記録したビデオファイルとして保存する
・ビデオカメラを使って、研究室や教室で事前に講義内容を撮影する
・国内外の大学教員や大学等が公開している、OCWや学習動画共有サービス(他大学のOCW、iTunes U等)の講義ビデオやビデオ教材を利用する

対面授業の開始時に、講義ビデオの内容に関して小テストやグループディスカッションを行うことによって、授業を進めるにあたって学生の前提知識を確認することができます。

BYOD(PC必携化)とは何ですか?

BYOD(Bring Your Own Device)は、学生が授業内外の学習のため、自分の所有するラップトップPCやモバイルデバイスを大学に持参することを言います。PCの利用を前提とした授業が提供されるため、PC必携化と呼ばれることもあります。

持参したPCを使い、学生は、授業中にノートテイキングやLMSへのアクセス、授業内容に関連するオンラインジャーナルやインターネットの記事にアクセスできるようになります。また、授業中だけでなく、授業の合間にラーニング・コモンズや自習室などの学習スペースで、授業の準備や課された課題に取り組むなど、自学自習やグループでの学習の可能性が広がります。

授業に関する連絡を受講者にメールで送ることはできますか?

多くの学習マネジメントシステム(LMS)では、授業ごとのメーリングリストが利用できます。

本学では、PandA内でメーリングリストが利用できます。利用マニュアルは下記の情報環境機構のウェブサイトに掲載されています。

04

教育アセスメントについて

多様な能力を本当に評価できるのでしょうか?

知識の定着度を確認するような評価はまだしも、社会的能力や人間性など多様な能力を評価できるのかという問題があります。あらゆる能力を(本質的な意味で)評価することはできないという前提で、学生の学習活動を促すためにどのような評価基準が必要かを考えていくしかありません。

評価基準を明確にすることの弊害についても知っておく必要があります。明確化するということは、それ以外の部分を見えにくくする可能性があります。本当は見たいけど評価では十分に捉えられないこと、評価で捉えられること、評価で捉えなければならないことを見極めておきましょう。そのためにも、評価に固執せず、学生を「観る」ことが評価の大前提になります。

学習評価の負担をどうやって軽減すればよいのでしょうか?

学習評価は厳密に行うほど高い効果が得られます。しかし、同時に複数の科目を担当し、授業の実施にも多くの時間を要するため、学習評価にかけられる負荷は限られています。授業開始時や中間地点などの時期を押さえた上で、授業の性質に応じて実施すると良いでしょう。

学習評価においてICTの活用は負担軽減という観点から見ても非常に効果的・効率的です。得手不得手はあると思いますが、一度テンプレートを作っておけば繰り返し使えたり、配布・回収・入力・分析等の手間が一気に省けたり、資源の削減や研究室の環境保持にもつながったりとさまざまなメリットがあります。得意な先生を見つけて協力してもらいながら、ぜひ挑戦してみてほしいと思います。

集団と個人の評価をどのように行えばよいのでしょうか?

アクティブラーニングの進展によって、従来の評価とは異なる問題が生じています。たとえば、グループワークなどで、活動に参加していない学生とリーダーシップを取って意欲的に活動に参加している学生とが混在しているグループにおける学生の評価には注意が必要です。

対応策として、グループワークの運営の仕方で学生間のバラツキを生じさせないようにすること、評価基準・規準を予め明示しておくこと、グループ内での学生同士の相互評価や自己評価を組み合わせること、役割分担を明確にしてインセンティブを付与すること、発表は協働にしてレポートは個人に課すなど学習への取り組みの差が分かるような課題を与えることなどが考えられます。

top