京都大学高等教育研究開発推進センター 京都大学高等教育研究開発推進センター

2017年9月6日(水)、京都大学百周年時計台記念館にて、「京都大学新任教員教育セミナー2017」を開催しました。本セミナーは、今年度が第8回目となり、本学に採用された新任教員および助教から昇任された教員を対象に実施しています。京都大学らしい教育の在り方について考えたり、学内に存在する様々な教育支援について知っていただいたり、実際に直面している教育に関する問題や学生指導上に関わる課題などについて共有したりする場所になるようプログラムを作っています。

具体的なプログラムやセッション5のグループ別セッションの内容については、FD研究検討委員会のサイトにて紹介しています。また、全体会での講演等については後日OCWにアップされます。これらも合わせてご覧いただければと思います。

今回の参加者は69名(教授7名、准教授18名、助教29名、講師14名、助手1名)でした。全体会では、まずセッション1として、教育担当理事・副学長の北野正雄先生より「現在の大学教育の動向と京都大学の教育改革」と題したオープニングレクチャーがありました。大学を取り巻くマクロな状況を踏まえつつ、本学が取り組んでいる様々な教育改革について紹介がありました。特に、昨今話題になっている高大接続に関する取組について、新たに始まった特色入試も交えながら紹介されました。セッション2では、文学研究科の伊勢田哲治先生より「埋め込み型研究公正教育のすすめ」と題したミニ講義がありました。高等教育機関全体にとって喫緊の対応課題となっている研究公正について、教育(授業)に埋め込む形で学生への研究公正を行うという先進的な取組が紹介されました。セッション3は、自身の授業実践を紹介する「私の授業」でした。今回は、薬学研究科の金子周司先生より「薬学専門科目での反転授業とグループ学習の試み2017」と題した授業実践の紹介がありました。本学が有する授業サポートツールである「PandA」を活用し、授業デザインから実際の成績データとの関連まで含めて紹介されました。セッション4では、高等教育研究開発推進センターの山田剛史先生、田口真奈先生から「京大の教育・学習支援」について紹介がありました。実際には冊子にまとめた『教育サポートリソース』、最近全面リニューアルした「センターウェブサイト」、新たに製作されたポータルサイト「CONNECT」について配布・提示しました。その後、セッション5は、参加型セッションとして、用意した5つのテーマごとに部屋に分かれてのワークショップがありました。最後のセッション6は、再度全体で集まってジグソー形式によるインテグレーションセッションを行いました。

参加者の事後アンケート(56名)より、総合評価は「4.47」(「非常に有意義」から「まったく有意義でない」の5段階)と高い評価が得られました。また、上位項目としては、グループ別セッション(4.66)、インテグレーションセッション(4.58)、私の授業(4.53)でした。これらの値は年々向上傾向にあります。

参加して良かった点に関する自由記述では、「京都大学として教育にかける情熱が伝わって来ました。教員としての自覚を促されました。」、「自分一人では思いつかない様な授業の進め方が紹介されたので参考になった。新任教員だけではなく、少し経験を重ねた人にも参考になると思った。」、「実際に講義に活用できるノウハウ(アイスブレークの手法や情報の発信側,受信側の違いを知ることのできるワーク)について知ることができた点。」、「他の研究分野の研究者と知り合うことができた。現在の大学をめぐる教育・研究の問題点を知ることができた。」、「FDの機会がなかなか無く、すべての情報、また討論、交流が有益であった。」、「皆さんエネルギッシュで、刺激を受けた。」など、様々な感想を寄せていただきました。

引き続き、先生方の声を聴きながらよりよりプログラムにしていきたいと思います。

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