Topics【Trends】最新のICT活用教育動向

ハイブリッド型授業に向けた諸外国の準備状況

【Trends】第16回 2020年10月27日

Trends(「ICT活用教育の動向」)では、現在のICT活用教育をめぐるさまざまな話題を紹介していきます。

コロナ禍に対応した、「ニュー・ノーマル」が社会のあらゆる領域で模索される中、日本の各大学では、この秋学期、オンライン授業と対面授業を組み合わせて実施する、ハイブリッド型授業の模索が続いています。文部科学省が本年8月25日〜9月11日に行った調査においては、本年度後期の授業に際し、8割の大学が対面と遠隔の併用、すなわちハイブリッド型の授業を実施する予定と回答しています(文部科学省「大学等における後期等の授業の実施方針等に関する調査について」)。

諸外国でも同様に、ハイブリッド型授業の模索が続いています。
米国の高等教育レベルのICT教育推進組織、EDUCAUSEは2020年秋学期の授業形態に関する調査を6月と8月に実施し、その結果を公表しました。同調査では、全世界の加盟高等教育機関のうち、127機関(6月、うち米国機関は119機関)、228機関(8月、うち米国機関は212機関)から回答を得て、その結果、6月時点で82%、8月時点で76%の高等教育機関が、2020年秋学期にハイブリッド型授業を採用するとの結果が得られたと報告しています。

準備状況については、8月の調査によると左図のようになっており、様々な形態に対応できるように各機関での準備が進められている様子が伺えます。
この調査ではさらに、各機関が共通して直面する課題として、研究室、学生向けの食事・住居提供、課外活動、学生支援が挙げられているほか、「ニュー・ノーマル」への対応の実例として、米国オーバーン大学(研究室活動への拡張現実(Augmented Reality)の活用)、オハイオ大学(同期双方向型でのアクティブ・ラーニング)、ハーバード・ビジネススクール(バーチャル・コーヒーブレイクの実施)の事例が紹介されています。
その他、この調査の詳細については、EDUCAUSEのHPに公開されているこちらの記事("Fall Planning for the New Normal: Moving Higher Ed Online", September 15, 2020.)を参照ください。

日本と同様、諸外国でもこの秋学期の授業展開について、模索が続いているようです。
実際の取り組みの形態、課題については、今後このTrendsでご紹介していきます。

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