Topics【Trends】最新のICT活用教育動向

アクティブラーニング向けの教室の整備がトップ項目に

【Trends】第7回 2018年2月20日

Trends(「ICT活用教育の動向」)では、現在のICT活用教育をめぐるさまざまな話題を紹介していきます。

EDUCAUSE*1調査に基づき、2017年時点で高等教育機関が導入を検討している技術や設備のランキングが発表されました。そこでは、学生データの分析技術の向上や教授・学習へのモバイル機器の導入といった他の項目をおさえ、アクティブラーニング向けの教室環境がトップ項目として選ばれました。
この種の教室環境では、ICTの活用に適した情報環境が整備されているだけでなく、可動式の机や椅子が配置され、学生同士のグループ学習が進めやすく設計されているという点が重要とされています。

近年、教室環境に限らず、国内外の数多くの高等教育機関で、図書館のラーニング・コモンズのような、学生の多様な学習をサポートする「アクティブ・ラーニング・スペース」*2が普及しています。
2017年に実施された国内の大学を対象とした文部科学省の調査によれば、多様な学習を促す設備が整い、多分野のスタッフが学習に関する相談に乗ってくれる学習支援体制が利用できる学習環境が増えており、2017年現在、このようなアクティブ・ラーニング・スペースは58.2%におよぶ453大学で導入され、過去5年間でおよそ2.5倍の数値となったということです(「平成28年度学術情報基盤実態調査」より)。

京都大学図書館機構でも、附属図書館のラーニング・コモンズや学習支援のための学習サポートデスクなど、学生の学習環境や学習支援体制の整備がおこなわれています。

高等教育において、学習環境や学習支援体制の整備が重要になっていることがうかがえます。

*1 EDUCAUSE:ICT活用の推進を通じた高等教育の発展を目的とするアメリカのNPO。*2 アクティブ・ラーニング・スペース:「複数の学生が集まって、電子情報も印刷物も含めた様々な情報資源から得られる情報を用いて議論を進めていく学習スタイルを可能にするために提供されるスペース」で、「コンピュータ設備や印刷物を提供するだけでなく、それらを使った学生の自学自習を支援する人的サービスも提供する」環境を指す(文部科学省「学術情報基盤実態調査(旧大学図書館実態調査)-用語の解説」より)。

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