News【Trends】2020年 コロナ危機を受けて、さらに拡大したMOOC人口

2021.08.04

Trends(「ICT活用教育の動向」)では、現在のICT活用教育をめぐるさまざまな話題を紹介していきます。

2020年以降のコロナ危機は、MOOCをめぐる状況にも大きな変化を及ぼしました。
MOOCの横断検索・評価サイトClass Centralで、同サイトのCEOダーワル・シャー(Dhawal Shah)氏は、2020年に世界のMOOC人口が急増したと報告しています。

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表1:2019年、20年の主要MOOCプラットフォームの新規登録者数と、総ユーザー数(出所:Dhawahl Shah, "The Second Year of The MOOC: A Review of MOOC Stats and Trends in 2020", The Report by Class Central, December 14, 2020.

その報告によると、2020年、各MOOCプラットフォームの新規登録者数は約6,000万人となり、その前年と比較して約3倍の人々が新たにMOOCを利用し始めました(表1)。同年のMOOCユーザーの世界人口が1億8000万人だったDhawahl Shah, "By The Numbers: MOOCs in 2020", The Report by Class Central, November 30, 2020.ことを考えると、その実に3分の1が2020年に登録したこととなります。

シャー氏によると、その原因は、コロナ危機のなか、職場や大学・学校がリモート化するなかで自由時間が増えたこと、そしてcoursera(コーセラ)やedX(エデックス)といった大規模MOOCプラットフォームが、修了証の無料キャンペーンを実施したことに求められるとのことです。

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表2:コロナ危機前後でのMOOCコースの人気カテゴリー上位10位の比較(出所:同上)

コロナ危機を経て、人気のMOOCコースのトレンドにも変化がありました。以前はコンピューター・サイエンスやプログラミングといった、日々の仕事やキャリアアップに直接つながるようなコースが人気でした(表2)。
それに対してコロナ後である2020年は、芸術・デザイン、人文学といった、多くの受講生にとって必ずしも仕事に直結しないようなジャンルが新たにトップ10位に入りました(同上)。

新型コロナウイルス(COVID-19)に関するコースも人気を集めており、上位100コースのうち5分の1が、2020年に新たに開講された新型コロナウイルス関連のものでした。

このようなMOOC人口の激増を受けて、シャー氏は2020年を、「MOOC元年」と呼ばれた2012年にちなんで、「MOOC第2の年」と呼んでいます。今後世界的にワクチン接種が進み、「コロナ以前」に戻ろうとする動きが活発化すると予想されるなかで、どのような変化が生じてくるのでしょうか。その動きから目が離せません。

その他、詳しくは以下の記事よりご覧ください。
Dhawahl Shah, "The Second Year of The MOOC: A Review of MOOC Stats and Trends in 2020", The Report by Class Central, December 14, 2020.

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