Topicsイベント報告

医学部医学科向け、PandA利用説明会

公開日:2018年8月10日 

本学の医学部医学科では今年度より、独自のLMSであるMedSIS(Medical Student Information System)を廃止し、PandAへと全面的に移行することになりました。その医学部医学科で、秋学期*を前に、授業を担当する教職員向けにPandAの使い方に関する説明会が開かれました。今回取材した第4回説明会並びにその2週間前に開催された第3回説明会には、合わせて、計30科目を担当する38名の教職員の参加申し込みがありました。

* 秋学期:医学部医学科では授業期間を、春学期、秋学期、冬学期という区分で設けており、開講時期はそれぞれ、4月〜8月上旬、9月上旬〜12月末、1月〜3月となります。

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当日の会場の様子。実際にPandAを使いながら説明を聞けるよう、一人一台のPCが用意されていました。

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参加者の質問に個別に答える様子。右は谷昇子特定研究員(医学研究科 医学教育・国際化推進センター)。

プログラム

日時:2018年7月30日(月) 14:30〜16:00

1. イントロダクション

14:30~14:35
  担当:錦織 宏(医学研究科 医学教育・国際化推進センター 准教授)

2. 「PandAの使い方」に関する説明と質疑応答

14:35~15:55
  担当:梶田 将司(情報環境機構 教授)・錦織 宏(同上)

3. 伝達事項の通知

15:55~16:00
  担当:錦織 宏(同上)

当日の配布資料

各プログラムとその内容

1. イントロダクション

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イントロダクションのパートでは、錦織准教授より今年度MedSISからPandAに移行することになった旨説明があり、その上で、PandAを使い慣れていない各教科担当の教員、授業資料の管理を担当する職員向けに本会を開いたという趣旨説明がありました。
なるべく分かりやすくお伝えできたらと思うが、分かりづらい点があったら何でも質問して欲しいとの言葉があり、実際にその後、全体での質疑応答でだけでなく、個別に質問をする教職員の姿が見られました。

2. 「PandAの使い方」に関する説明と質疑応答

梶田教授による説明パートでは、情報環境機構で作成した「PandA公式ガイドブック」(2020年5月11日版に差し替え済み)と合わせて、医学教育・国際化推進センター作成の「PandA医学科専用マニュアル① ログイン・ログアウト編」、「PandA医学科専用マニュアル② リソース編」、「PandA医学科専用マニュアル③ 科目(サイト)への担当者(ユーザー)追加編」をもとに説明がなされました。

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学生と教員の活動を、履修登録から授業、課題提出、試験、成績評価まで、授業全体を通してサポートしようと構築されたツールがPandAである旨説明があった後、PandAへのログイン・ログアウト方法、「リソース」機能の使い方(資料の閲覧・追加・削除、フォルダの作成)、科目サイトへのユーザーの追加(及び削除)方法に関して説明がありました。その間、参加者は、用意された手元のPCを用いて実際にPandAに触れつつ話を聞いていました**。

** PandAには、PandA:Gatewayからアクセスできます。

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質疑応答の様子。

質疑応答のパートでは、参加者から出た質問に対して錦織准教授が答えました。今後、紙資料の配布とPandAの併用となるのかという質問に対しては、医学部全体としてはPandAに一本化することを考えているが、守秘義務の観点から資料を電子配布することは難しいといった研究室・診療科毎の事情もあると思われるので、そういった場合には柔軟に対応して欲しいとの回答がありました。
また、ペーパレス化の背景に、余った紙資料の廃棄を減らすという狙いがあること、一方で紙資料の配布からPandAを用いた電子配布へと、どう円滑に移行できるか確認しつつ移行作業を進めていることについて説明がありました。

実際に使用した経験があるとする参加者の一人からあった、アップロードした資料が改変されないかという懸念については、パワーポイントの形式ではなくPDF化したものをアップロードする、PDFの編集制限をかけるといった方策が考えられるとした上で、今年度が運用初年度ということもあり、そういった、使った上での懸念事項・課題を集めながら対応していきたい旨返答がありました。

なお、春学期の科目の状況を確認したところ、ほとんどの科目でPandAを利用していたそうで、現在、学生・教職員両方に対してPandAの利用全般に関して、アンケートを実施中とのことです。

3. 伝達事項の通知

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説明を聞く参加者の様子。配布されたマニュアルに適宜メモを取りつつ、熱心に説明を聞いていました。

このパートでは、錦織准教授より、学生がPandA上の資料を印刷して授業に持ってくることを考えたとき、授業の約3日前には資料をアップロードしておいてもらいたいとのお願いがありました。
また補足の説明として、学生に対しては黒田知宏教授(医学部付属病院 医療情報企画部)の「医療情報リテラシー」の授業で使い方を伝えており、学生のPandAに対する適応の状況についてはほぼ心配がないと思われるという報告がありました。一方で、学生からの声では、授業資料に直接メモをしたいので、紙で資料を配布してほしいという声もまだ根強いとの話がありました。これに対しては、現在、印刷補助を含めた対応策を検討しているそうです。

最後に、不明点については情報環境機構にもお問い合わせ窓口があるが、医学部医学科については、医学教育・国際化推進センターの谷特定研究員が窓口となっている***ことが説明され、1時間半にわたる説明会は終了しました。

*** 谷先生の連絡先は、「PandA医学科専用マニュアル」の最終ページに記載されています。

担当した教職員からのメッセージ

錦織 宏准教授(医学研究科 医学教育・国際化推進センター)

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今回で今年度通算で4回目の説明会ですが、毎回、沢山の教職員の方々に参加頂き、嬉しく感じています。これで、医学部医学科で開講されている全61科目の担当教員・事務職員のほぼ全員が、説明会に参加したことになります。
PandAは使い出したら結構奥が深いツールですが、今回の講習会ではまずはベーシックなことをお伝えしたいと思い、内容を構成しました。今回配布したマニュアル、これは谷先生が作ってくれたのですが、こちらもそういった考えを反映したものです。
今後実施する予定のアンケートの結果も踏まえて、どういった形で本学科の学生・教職員の活動をさらにサポートできるのか、検討・具体化していけたらと思います。

梶田 将司教授(情報環境機構)

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PandAは、一つのコース全体を通して学生・教員の活動をサポートをするもので、ネット接続さえあれば学内外、曜日に関係なく、世界中どこからもアクセスすることができるとても便利なツールです。色んな機能がありますが、まずは、例えば本日ご紹介した「リソース」機能だけを利用するところから始めるという形で「使うところ」からスタート頂けたらと思います。
そこで慣れて頂き、関心を持って頂けたなら、「課題提出」機能や「ディスカッション・フォ-ラム」機能****といった他の機能も使って頂けたら嬉しいですし、「反転授業*****」といった可能性も広がってきます。まずは、一度PandAをぜひ使ってみて下さい。

**** ここに挙げた機能について、本サイト内の次の記事でも紹介しています。PandA利用【文系・ゼミ・討論中心編】-いつも忙しいM下教授の日常に、もしPandAがあれば-
***** 次のインタビュー記事では、PandAを用いた「反転授業」の事例が紹介されています。大学院薬学研究科 金子周司先生(薬理学)「一人ひとりの学習スタイルの尊重を目指す反転授業」

谷 昇子特定研究員(医学研究科 医学教育・国際化推進センター)

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先の錦織先生の言葉にもありましたように、今回配布したマニュアルはなるべくシンプルに重要なところをお伝えしようと考えて作成したものです。初めてPandAを使う人の場合、慣れるのに少し時間がかかるかもしれません。本マニュアルを用いることで、できるだけ短時間に、本学科の学生・教職員が使用する可能性が一番大きいと思われる「リソース」ツールを使えるようになって頂けたら嬉しいです。
マニュアル最終ページには私の連絡先を掲載していますので、何かご不明な点や分かりづらい点などがありましたら、いつでもお気軽にお声がけください。

(取材・記事構成:鈴木健雄・田口真奈/公開日:2018年8月10日)