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【開催報告】高校生限定コアラーナーワークショップ

2019年 4月14日(日)13:30〜17:00  於 京都大学吉田キャンパス

イベント報告

2019年4月14日(日)、KoALA*より配信中の「音波入門-音波の不思議を探る-」、「考える方法を学ぶ:クリティカルシンキング入門」を活用した、リアル対面授業(ワークショップ)を開催しました!
当日は、近畿圏からだけでなく関東や四国といった遠方含めて、計45名の参加者がありました。 
 
*KoALA:京都大学高等教育研究開発推進センターが提供する、京都大学のオンライン講義WEBサイトの名称です。
*「音波入門-音波の不思議を探る-」ワークショップ参加者のインタビューはこちら
*「考える方法を学ぶ:クリティカルシンキング入門」ワークショップ参加者のインタビューはこちら

 

概要

日時: 2019年4月14日(日)13:30〜17:00
会場: 京都大学吉田キャンパス吉田南構内国際高等教育院棟
参加費:無料
対象: 高校生
参加条件:事前にKoALAの講義「音波入門-音波の不思議を探るー」もしくは「考える方法を学ぶ:クリティカルシンキング入門 1」及び「考える方法を学ぶ:クリティカルシンキング入門 2」を受講し、修了証を取得すること

プログラム

13:30 全体会
オープニングレクチャー「オープンな学びと教育の未来」飯吉透先生(京都大学教育担当理事補・高等教育研究開発推進センター長・教授)
挨拶 北野正雄先生(京都大学教育担当理事・副学長)
14:00 ワークショップ
(A)音波入門ワークショップ 北野正雄先生、植松恒夫先生(京都大学名誉教授)
(B)クリティカルシンキング入門ワークショップ 若林靖永先生(京都大学経営管理大学院教授)、平方文哉さん(京都大学大学院経済学研究科博士後期課程)
17:00 終了
 

全体会

ワークショップに先立つ全体会では、まず、飯吉透先生によるオープニングレクチャーがありました。OCW*・MOOC* が世界的に広がった結果、「オープンな学び」が可能となっているとしたうえで、そのような試みの背景に、大学教員それぞれが抱く「学問の面白さ、楽しさを伝え、広める喜び」があると語られました。続く、北野正雄先生からの挨拶では、この機会を利用して、京都大学での学びに触れるとともに他の高校からの参加者と一緒に学びを深めてもらい、皆さんの高校に戻ってからの勉強に活かしてほしいとの言葉がありました。
 
飯吉先生
北野先生

* OCW(OpenCourseWare):すべての講義を無償公開することを目的に、2002年にMIT(マサチューセッツ工科大学)が始めた取り組みです。講義ビデオや講義ノート、シラバス、小テスト等、公開されている教材は多岐に及びます。京都大学のOCWはこちら
* MOOC(Massive Open Online Courses):インターネットを通じて配信される、無償または安価で受講できる講義で、「大規模公開オンライン講義」と訳されます。オンラインで講義を配信するだけでなく、一定の条件を満たした受講者には修了証が発行されることが特徴です。京都大学のMOOCはこちら
 
全体会に続き、(A)(B)2つのワークショップが、2会場同時開催のかたちで実施されました。
 

(A)「音波入門-音波の不思議を探る-」ワークショップ

講師:北野正雄先生、植松恒夫先生
司会:田口真奈先生(京都大学高等教育研究開発推進センター准教授)

ファシリテーター:酒井博之先生(同センター准教授)、岡本雅子先生(同センター特定講師)、大橋英明さん(京都大学大学院情報学研究科博士後期課程)、横山慎さん(同研究科修士課程)

21名が参加した「音波入門」ワークショップでは、以下の4種類の実験を実施しました。
 
 デモ1:音を見る実験1 共鳴音叉実験
 デモ2:音を見る実験2 ばね実験とマイクの構造比較実験
 デモ3:音の干渉実験
 デモ4:気柱共鳴実験

ワークショップの冒頭、アイスブレイクの時間が設けられました。グループに分かれた参加者は、事前課題を利用しつつ自己紹介をし、緊張をほぐしながら交流を深めました。
その後、それぞれの実験について、北野先生・植松先生からその見どころや方法を説明するデモンストレーションがありました。参加者は、実験器具が置かれた4つの教室を回りながら、先生の話を聞きました。マイクロフォンや音叉、オシロスコープなどを目の前にした参加者の口からは、実際に実験器具に触れてみたいという期待の言葉が飛び出しました。
植松先生

デモンストレーションと解説を聞いたうえで参加者たちは、グループに分かれ、実際に実験しました。それぞれの参加者が積極的に実験器具に触れ、結果を考察するまでのプロセス全体を楽しんでいる様子でした。不慣れな実験機器を使いこなすのに苦労したり、理論のとおりになかなか実験が進まずに困惑するといった瞬間もあったようでしたが、そのような戸惑いも、参加者間で協力したり、講師に自発的に質問したりするなかで、自ずと解決したようです。
 

実際に実験を体験してもらった後、全体でのディスカッションの時間が設けられました。そこでは、各実験で用いる機器や物質の量などの条件を変えた場合に実験結果がどうなるかや、実験で観察された現象はなぜ起こるのか、といった発展的な疑問が出ていました。単に生徒が先生に質問し、それに対して先生が応えるという「一対多」のような議論ではなく、質問者以外の生徒も加わって積極的に意見を発表するといった、相互交流的かつ活発なディスカッションが交わされていました。
 

ディスカッション中、生徒の一人から「なぜ研究者になったのか」という質問がありました。それに対して、両先生は、大学入学前の「原体験」ともいえる経験を紹介しつつ回答されていました。植松先生は、高校時代の物理学の先生との出会いが、物理学の理論への関心につながったと答えられました。北野先生はご自身が「ラジオ少年」だったとしたうえで、そこでの経験が音波に対する関心はもちろん、専門である電子工学全般への関心につながったと語りました。この応答の中で、お二人からは、高校生のみんなにはぜひ、自分の興味・関心を大切にしてほしいというメッセージがありました。
プログラムの最後、今回ワークショップに参加してくれた高校生には、北野先生の名前のはいった修了証が授与されました。参加者の興味や関心は尽きなかったようで、修了証の授与後、ワークショップが終わってからも、講師のお二人に質問する姿がありました。

(B)「クリティカルシンキング入門」ワークショップ

講師:若林靖永先生、平方文哉さん
司会:松下佳代先生(京都大学高等教育研究開発推進センター教授)

ファシリテーター:岩田貴帆さん(京都大学教育学研究科修士課程)
 
「クリティカルシンキング入門」ワークショップには、23名の高校生と1名の引率教員の方が参加しました。
冒頭、アイスブレイクとして、事前課題として指示した、自分で決めたテーマで作成したブランチ(因果関係のロジックでの図解)を用いて、グループごとに自己紹介を含めた交流がおこなわれました。その後、平方さんからブランチに関する復習のセミナーがあり、グループで、まずは「高校生活がつまらない」という状況の原因を探る、「高校生活がつまらない」ということから生じる結果を想像する、というブランチづくりに取り組みました。
若林先生
平方さん

その後、「高校生活がわくわくする」というテーマのブランチ、あるいは「『持続可能な開発目標』(SDGs: Sustainable Development Goals)を実現する」というテーマのブランチのいずれかを選択して自分たちで作成するという課題が与えられました。
グループワークの間、若林先生や平方さんは各グループを回り、参加者がブランチを通じて考えを深められるよう、その内容について質問したり具体的な改善方法についてアドバイスをしたりしていました。 

グループワーク後、各グループで作成したブランチを発表し、お互いに質問や意見を交し合う時間が設けられました。グループワークを通じて考えを十分に整理できていたおかげか、どの参加者も堂々と発表し質問に答えていました。
 

ワークショップの最後には、全体の振り返りの時間が当てられました。参加者から若林先生に対し、「クリティカルシンキングのツールとマインドマップとのちがいは何か」や、「大学で経済学を学びたいと思っているが、経済学ではクリティカルシンキングのツールがどのように用いられるのか」といった質問がありました。オンライン講義で学び、ワークショップで使ってみたツールを、さらに発展的に使いこなしたいという参加者の意欲がうかがえました。
 

その後、本ワークショップに参加した高校生には、若林先生の名前のはいった修了証が授与されました。
 

 

当日の参加状況とアンケート結果

事後アンケートには、44名の方から回答がありました。満足度を聞いたところ、全体平均4.91(5件法)と非常にポジティブな評価を得ました。また、京都大学に対する関心の変化を聞いたところ、実に98%の回答者から「関心が高くなった」という回答がありました。
各ワークショップに対する、具体的な感想や意見としては、以下のようなものがありました。
 
音波入門ワークショップ *より詳しい感想はこちら(インタビュー記事)
・グループの他のメンバ―の意⾒を聞くことで、自分が気付かなかった点に気付くことができ、新たな疑問を持つことができました。
・最後の意⾒交換会がとても有意義でした。
・いろいろな学校の、さまざまな学年の⼈たちと接することができて面白かったです。
・今回学んだことをもとにして、より発展的なこともこれから学んでいきたいと思いました。 

クリティカルシンキング入門 *より詳しい感想はこちら(インタビュー記事)
・講義だけでなく実習もあり、知識を深められました。また、同世代の⼈と知り合うことができ、一緒に講義や実験ができたのでとても楽しかったです。機会があればまた受講したいと思います。
・オンライン講義で共通の事前知識があったので、議論が進みやすく楽しかったです。
・論理的な思考や判断の仕方がわかりました。
・グループでの交流で、それまで⾃分では思いつかないような意⾒を知ることができてよかったです。
 
今回参加してくれた高校生は、それぞれ高校も違えば学年も違う、興味・関心だけを共通項に、自発的に集まってくれた人たちでした。そのため、ワークショップが始まった直後は、交流したり互いに意見を交わすのは、少々照れ臭い様子でした。しかし、アイスブレイクやグループワークを経て、一度打ち解けるとその後は、例えば音波が伝わるその仕組みについて、あるいは高校生活での困難をどう解決できるかについて、こちらも驚くくらい積極的に、議論を交わしていました。
ワークショップの中ではまた、それぞれの高校生活のことや、志望している学部といったことも話題となったようで、ワークショップ全体として、今後の高校生活や大学での学びに関して、より広い視野を得るとともに意欲を高める機会となったようです。
なお、今回のワークショップを楽しんでいたのは高校生ばかりでなく、もちろん講師の先生方もそうでした。やる気と熱意のある、今回このためだけに集まってくれた高校生たちとのやりとりに、その顔からは、終始笑みがこぼれていました。
 
参加者の皆さん、ワークショップへのご参加ありがとうございました!また次回お会いできるのを楽しみにしています!
記事構成:河野亘(京都大学高等教育研究開発推進センター研究員)、鈴木健雄(同センター特定研究員)
写真撮影:長谷海平(同センター特定助教)、岡田正大(同センター技術補佐員)

高校生向けKoALA一覧と登録方法

以下、高校生向けに開講されているKoALAの一覧です。いろいろなコースが開講されているので、ぜひ一度ご覧になってみてください。
教育担当理事・副学長 北野正雄先生
 「音波入門-音波の不思議を探る-」
農学研究科 高部圭司先生
 「樹木の生命力」
KoALAの登録方法はこちらの動画をご覧ください。
KoALAのトップページ(すべてのコース一覧)はこちら
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