Topics開催報告
国際シンポジウム
「MOOC時代の大学教育改善」
公開日：2017年8月9日
2015年1月19日、京都大学芝蘭会館稲盛ホールにて、ハーバード大学のデレク・ボク教授学習センター (Derek Bok Center for Teaching and Learning) のファカルティ・ディレクターであり、MOOCプロジェクトHarvardXに携わるロバート・ルー (Robert A. Lue) 教授を基調講演者とする国際シンポジウム・第90回公開研究会「MOOC時代の大学教育改善 -Advancing Higher Education in the Age of MOOC-」（主催：京都大学高等教育研究開発推進センター）が開催されました。
シンポジウムの概要
近年、高等教育におけるMOOCやOCWの活用に関心が高まる一方、日本の大学においては、教育の進展を支えるための包括的な支援体制が必ずしも十分でないことから、必要とされるキャパシティづくりが急務となっております。本シンポジウムでは、ハーバード大学の先進的な試みや成果、これまでの我が国の教育制度改革やFDの現状を踏まえ、教育イノベーションや教育改善のための具体的な方策を探索し、その可能性や課題について活発な議論を交わされました。
セッション1
ロバート・ルー教授（基調講演の映像はこちら）
プログラムの冒頭におこなわれた基調講演「大学のデジタル革命」において、ルー教授は、「ハーバード大学では、教育改善・教育改革をオンライン教育とキャンパスでの授業を通じて成果をあげている」と述べ、MOOCについて、オンラインだけで完結するというわけではなく、大学の通常的な教育にも有用であると説明しました。
飯吉透教授（講演の映像はこちら）
次に、高等教育研究開発推進センターの飯吉透教授は「京都大学における教育イノベーションと教授・学習支援の新たな可能性」と題した講演の中で、京都大学におけるMOOC関連の取り組みについて紹介し、前年度のコース "Chemistry of Life" を中心に、受講者の参加を促すさまざまな試みや今後のコース改善の視点とその重要性について説明しました。
セッション2
続くセッションでは、京都大学の美濃導彦教授が、多様な個性に合わせた教育のための学内システム環境の整備と学習データの収集とその利活用について具体的な提案を行いました。次に、大阪大学の竹村治雄教授が大阪大学教育学習支援センターにおける FD プログラムやその活動、MOOC 制作など幅広い視点での取り組みを紹介しました。
セッション3
講演・話題提供後には、松下佳代教授（京都大学高等教育研究開発推進センター）を司会として、パネルディスカッションが行われました。フロアの参加者も交えて活発な質疑応答が行われました（パネルディスカッションの映像はこちら）。
松下佳代教授（松下佳代教授によるパネルディスカッションのための論点整理の映像はこちら）
当日のフロアの様子
当日のプログラム
2015年1月19日（月）於 芝蘭会館稲盛ホール
【セッション1】
13:30 開会挨拶
北野 正雄（京都大学理事・副学長）
13:35 基調講演
Robert A. Lue (Faculty Director, HarvardX and of the Derek Bok Center for Teaching and Learning, Harvard University)
「大学のデジタル革命」 "The Digital Evolution of the University"
14:35 講演
飯吉 透（京都大学理事補・高等教育研究開発推進センター長・教授）
「京都大学における教育イノベーションと教授・学習支援の新たな可能性」
"New Possibilities of Educational Innovation and Teaching and Learning Support at Kyoto University"
【セッション2】
15:20 話題提供
美濃 導彦（京都大学情報環境機構長・学術情報メディアセンター教授）
竹村 治雄（大阪大学全学教育推進機構企画開発部長・教育学習支援センター長・サイバーメディアセンター教授）
【セッション3】
15:50 パネルディスカッション
司会：松下 佳代（京都大学高等教育研究開発推進センター教授）
パネリスト：Robert A. Lue、飯吉 透、美濃 導彦、竹村 治雄
・本シンポジウムのOCWページはこちら
（公開日：2017年8月9日）
